相談事例

(1)詐欺が疑われる海外インターネット通販に関する相談

インターネットで商品を購入し、代金は支払ったが商品は届かない、サイトに記載のあった連絡先に連絡しても返事がない、という相談が寄せられています。販売事業者が海外の悪質業者だった場合は対応が望めないため、購入前にサイトの利用規約や表示内容を十分に確認し、信頼のおけるサイトかどうか見極めることが重要です。

相談概要

音楽機器の販売サイトで注文をしようと思い、商品についてメールで問い合わせると「商品は海外から発送され、支払い方法は銀行振込になる」と返信がありました。何の疑いもせず、注文し、指定された銀行口座に代金を振り込みましたが、商品は届かず、それ以降は販売サイトと連絡が取れなくなりました。改めて、サイトに記載されていた住所で検索をかけてみると、オーディオ、釣り具、衣類などさまざまな商品を扱う複数のウェブサイトがヒットし、住所が使いまわしされていることが分かりました。支払った代金を返金してほしいです。

アドバイス

購入前にサイトの評判や実体、支払方法などの契約条件をよく確認しましょう。

購入する前に、サイトに事業者の「電話番号」「住所」の記載があるか、それらが実在するかなどを確認しましょう。海外の事業者の場合、日本の事業者に比べて実体がつかみにくいことが多いので慎重に検討しましょう。 インターネット上の評判も参考になる場合があります。すべてを鵜呑みにはできませんが、例えば、「www.xxxx.com(サイトURL)+ scamまたはfraud(いずれも詐欺を表します)」などで検索してみましょう。海外サイトの場合、英語で評判が書かれていることもあります。 日本語で表記されたサイトであっても、海外の悪質な事業者が運営している場合もあります。商品価格が一般的な流通価格と比べ安くないか、日本語の表現におかしな点がないかなど基本的な確認も怠らないようにしましょう。 悪質な事業者である場合の特徴の一つとして、代金支払い方法が銀行振込しかない、または、サイト上にはクレジットカードによる支払方法の記載があるにもかかわらず、銀行振込やその他の送金方法を指定される場合があります。これまで寄せられた相談内容をふまえると、このようなサイトの利用はお勧めできません。 商品の購入の申込ボタンがある画面(最終確認画面)に表示されている契約内容や支払方法、解約条件などをしっかり確認してから、注文しましょう。その画面を印刷やスクリーンショットなどで保存しましょう。 ショッピングモール(以下 プラットフォーム)に出店する販売サイトから購入してトラブルにあった場合、プラットフォームに何らかの救済手段が用意されている場合があります。どのような対応が得られるか、またその手続きについて確認しておきましょう。

公表されている悪質なウェブサイトでないことをチェックしましょう。

  • 消費者庁では、模倣品販売、模倣品販売疑い、詐欺疑いのある悪質な海外ウェブサイトに関する情報を消費者庁のホームページ上で公表していますので、利用しようとしているサイトが公表されていないことをチェックしましょう。なお、公表されていないサイトであっても安全なサイトであるとは限りません。上記の事項をチェックし、サイトを見極めましょう。

    悪質な海外ウェブサイト一覧(消費者庁:外部リンク)

万が一トラブルにあってしまったら

  • クレジットカード決済の場合、クレジットカード会社に相談しましょう。

    クレジットカード決済を行っていた場合、クレジットカード会社に対してトラブルにあったことを連絡することで、クレジットカード会社から対応が得られることがあります。次のページも参考に、できるだけ早くクレジットカード会社に相談をするとよいでしょう。
    詐欺・模倣品サイトのトラブル(クレジットカード支払)

    また、クレジットカード会社への相談について不安がある場合には、居住地の消費生活センターへ相談してみるとよいでしょう。

  • 銀行振込で決済した場合、警察や振込先金融機関に相談し、事業者の銀行口座の利用停止を求めましょう。

    商品が届かず事業者と連絡がとれない、注文した商品とは異なる物が到着したが事業者が交換・返金などに応じない、税関から認定手続開始通知書が届いた場合などは、振り込め詐欺救済法の対象となる可能性があります(国内金融機関の口座への振り込みに限る)。
    被害にあったことを警察と振込先の金融機関に連絡し、詐欺の疑いが強いことを申し出ましょう。この法律に基づく手続を行うかどうかは金融機関の判断となりますが、手続がとられると被害回復分配金が支払われる場合があります。

    銀行振込ですでに支払いを行った場合については、 次のページも参考にしてください。
    詐欺・模倣品サイトのトラブル(銀行振込・支払済)

    支払い方法は銀行振込を選択したものの、まだ支払いを行っていない場合は、決して支払わないでください。 次のページも参考にしてください。
    詐欺・模倣品サイトのトラブル(銀行振込・未支払)

  • 消費者生活センターに相談する際は、証拠となる資料(利用したWebページのコピーや、注文確定メール、事業者とのメールのやり取りなど)を手元に持っておくとよいでしょう。

このサイトの落とし穴(CCJからのコメント)

事業者が悪意を持って販売を行っている場合、支払方法によっては解決が困難な点

このような詐欺と思われる事業者は、最初からだますつもりで販売をしています。代金支払い前は丁寧に連絡をしてくるものの、代金を支払った後は連絡が取れなくなります。代金を支払ってしまった場合、商品の送付はもちろん、返金してもらうことも大変困難です。

ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考事例として掲載するものです。同じようなトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。