相談事例

(7)ESTA等の電子ビザの申請代行サイトに関する相談

「ESTA(エスタ)」とは2009年1月より導入された、アメリカ国土安全保障省による電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA。いわゆる電子ビザ)の名称です。日本を含む、全てのビザ免除プログラム対象国の渡航者は、事前に電子渡航認証(ESTA)を取得することが義務づけられています。
申請は、アメリカ国土安全保障省のウェブサイトを通じて行います。費用は21ドルです(2022年5月26日現在)。
このESTAの申請手続きについては、公式のウェブサイトから直接申請することができますが、申請手続きを代行する民間のサービスもあります。
CCJには、公式の申請サイトと勘違いをして、当該申請を代行する事業者のサイト(以下「申請代行サイト」)を通じて申請手続きを行い、思っていたより高い料金を請求されたという相談が寄せられています。
また、アメリカのESTAだけでなく、カナダのeTAやオーストラリアのETAといった電子ビザの申請手続きについても同様の相談が寄せられています。

相談概要(1)

アメリカに旅行するため、事前にESTAの申請をした。ESTAの申請は初めてではなかったので、いつも通り「ESTA 申請」とインターネットで検索して手続きをし、クレジットカードで決済した。
帰国後、クレジットカードの請求書が届き、確認したところ、一人14ドル(※2022年5月25日までの料金)の申請料のはずが、一人74ドルとなっていた。驚いて、取消しをしようとすぐに連絡しようとしたが、電話番号も記載されておらずメールも送れなかった。手続きをしたサイトを改めてよく確認したところ、申請代行サイトであり、キャンセルできないことが記載されていた。

相談概要(2)

オーストラリアに旅行に行くことになり、ETAを申請するため、インターネットで検索したサイトで申請手続きをし、約8,000円をクレジットカードで支払った。
ETAの申請した翌日、申請手続きが完了した旨のメールが届いた。その後、一緒に旅行にいく友人から、その友人は1,000円前後でETAを申請したと聞いた。
慌てて申請をしたサイトをよく確認したところ、申請代行サービスで、運営事務所は香港にあるとのことだった。また、費用についても、申請料20ドルの他に手数料がかると記載されており、申請後はいかなる理由があってもキャンセルできないとあった。申請代行サイトだとは思わずに手続きをしてしまったが、納得できないので、返金してほしい。

アドバイス

公式サイトからご自身で直接申請することを希望する場合には、申請するサイトが公式サイトかどうかよく確認しましょう。申請代行サイトを利用する場合には、事前に契約内容をよく確認しましょう。

インターネットで「ESTA」「eTA」「ETA」などと検索すると、申請代行サイトが検索結果の上位にて表示されることがあります。申請代行サイトを通じて申請を行うと、正規の申請費用の他に、代行手数料が請求されるため、各国政府の公式サイトで申請した場合より、費用が高くなる場合があります。ご自身で直接申請することを希望する場合には、公式サイトか否か十分に確認してください。 申請代行サイトを利用する場合には、申込みをする前に、相手方や契約内容、料金を十分に確認してください。多くの申請代行サイトは海外の事業者である場合も多く、また「申請手続き後のキャンセルには応じない」旨が利用規約に定められています。このため、一度、申請手続きを行うと、解約・返金の交渉は困難です。