相談事例

相談事例のご紹介

国民生活センター越境消費者センター(CCJ)が受け付けた相談事例を紹介するコーナーです。

(1)詐欺が疑われる海外インターネット通販に関する相談

インターネットで商品を購入し、代金は支払ったが商品は届かない、サイトに記載のあった連絡先に連絡しても返事がない、という相談が寄せられています。販売事業者が海外の悪質業者だった場合は対応が望めないため、購入前にサイトの利用規約や表示内容を十分に確認し、信頼のおけるサイトかどうか見極めることが重要です。

(2)模倣品の海外インターネット通販に関する相談

消費者がインターネット通販で購入し、海外の事業者から郵送等により国内に送付された商品が模倣品であり、それが税関において発見された場合は、没収され、消費者の手元には届きません。また、このようなトラブルでは消費者が商品代金を支払った後に、販売事業者と連絡が取れなくなるケースが多くなっています。トラブルにあわないためには事前の注意が重要です。

(3)偽警告によるパソコン用セキュリティソフトのダウンロード等に関する相談

パソコンを操作中に突然ポップアップでウイルスやパソコンのエラーに関するメッセージが表示され、慌てて毎月の支払いが必要なソフトウェアを購入してしまったといった相談が寄せられています。一度申し込みをしてしまうと、英語で記載されたページから解約する必要がありますが、解約方法が分からず、毎月の料金を支払い続けなくてはいけないというものです。
また最近では、画面に表示された電話番号に電話すると、電話口の相手からウイルス除去のためにプリペイド型電子マネーでの支払いを次々と求められる手口に関する相談も寄せられています。

(4)iPhone当選に見せかけた有料サイト登録・課金に関する相談

パソコンやスマートフォンを使っていたら、突然「iPhoneが当たった」などというポップアップ画面が表示され、興味を惹かれてカード情報を入力し申し込んだら、自動的にまったく別のサービスの申込みになり、海外の事業者から月額利用料を請求された、といった相談が多く寄せられています。

(5)“無料”をうたうアプリの海外からの課金に関する相談

“無料”と表示されているアプリケーションソフトウェア(アプリ)をダウンロードしたところ、気付かないうちに別のサイトに誘導され、後から月額利用料を請求されたり、さらに解約をしようとすると1ドルの解約料を請求されるといった相談が最近増加しています。

(6)海外ホテル・航空券予約のトラブルに関する相談

ここ数年、外資系企業が運営し、格安を標榜する海外ホテルや航空券予約サイトでのトラブル相談が継続的に寄せられています。これらのサイトは日本語で表記されているものの、運営は海外企業が行っており、国内の旅行代理店との対面でのやり取りに慣れた方が商習慣やルールの違いを理解しないまま利用し、トラブルに発展するケースが多いようです。

(7)ESTA等の電子ビザの申請代行サイトに関する相談

「ESTA(エスタ)」とは2009年1月より導入された、アメリカ国土安全保障省による電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA。いわゆる電子ビザ)の名称です。日本を含む、全てのビザ免除プログラム対象国の渡航者は、事前に電子渡航認証(ESTA)を取得することが義務づけられています。
申請は、アメリカ国土安全保障省のウェブサイトを通じて行います。費用は21ドルです(2022年5月26日現在)。このESTAの申請手続きについては、公式のウェブサイトから直接申請することができますが、申請手続きを代行する民間のサービスもあります。
CCJには、公式の申請サイトと勘違いをして、当該申請を代行する事業者のサイトを通じて申請手続きを行い、思っていたより高い料金を請求されたという相談が寄せられています。

(8)海外でのレンタカーの利用に関する相談

海外でのレンタカーの利用に関する相談が多く寄せられています。「あらかじめ日本で予約したにもかかわらず、現地に行ったら予約したのとは違う車だった」、「予約した金額より高額な請求を受け、問い合わせたところ、現地でオプション契約をしていたことがわかった。現地で書類にサインをしてしまったが、英語で内容を理解できなかった」、「車に傷をつけることなくきちんと返却したのに、後日、高額な修理を請求された」といった内容が目立ちます。

(9)海外のチケット転売仲介サイトに関する相談

「コンサートやスポーツイベントのチケットを、チケット転売仲介サイトで購入したが、高額なので解約したい」といった相談が多く寄せられています。
相談内容をみると「インターネット検索結果のトップに表示されていたので、公式サイトだと勘違いして契約をしてしまった」、「残りの席数が表示され、焦ってしまい手数料がかかることの表示を見落としてしまった」というものが目立ちます。
中には、「中学生の娘が勝手に申し込んでしまった」といった相談や、「コンサートが中止になったが転売仲介サイトと連絡がとれない」といった相談も寄せられています。

(10)海外マルチに関する相談

「誰でも簡単にできる」「今後、日本で事業を拡大する」等の説明を受けて、海外事業者とマルチの契約をしたが、解約できないといった相談が多くよせられています。このような契約は、ネットワークビジネス・マルチレベル・マーケティング(MLM)と呼ばれることがあります。

(11)海外で契約したタイムシェアに関する相談

「タイムシェア」とは不動産所有権付きのリゾート会員権のことです。毎年一定期間(1週間等)、契約した海外のリゾート施設に宿泊ができるもので、系列ホテルへの宿泊等が可能な場合もあります。
この「タイムシェア」については、「海外旅行先のホテルで勧誘を受け、十分な知識や理解のないままに契約をしてしまったが、管理費等の支払いが困難なので解約したい」 といった相談や、「勧誘時の説明のように施設の予約が取れず利用できないので解約したい」といった相談などが多く寄せられています。

(12)海外FX取引やバイナリーオプション等の外国為替取引に関する相談

海外事業者と、FX取引やバイナリーオプションなどの外国通貨取引を行ったところ、「取引後に出金に応じない」、「連絡しても回答が無い」といった相談が増加しています。

(13)トライアルに見せかけたサプリメントや化粧品の定期購入の解約相談

最近「無料トライアル」を掲げたサプリメントや化粧品を販売する海外のネットショッピングでの相談が寄せられています。商品はトライアルなので無料で送料のみ負担とありますが、実は自動的に定期購入の申し込みになっており、翌月から商品代金を請求されるというものです。

(14)ロマンス投資詐欺に関する相談

「出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会い、恋愛感情を持った相手から、実態のわからない投資等の海外サイトを紹介され投資したが、出金できなくなった」等の相談が寄せられています。
手口にはパターンがあります。出会った後、すぐに外部のチャットサービスでのやり取りに誘導され、その中で投資を勧められ、出資した後に出金しようとすると、手数料等さまざまな名目で追加の支払いを求められ、結局出金できなくなります。
運営会社や投資の運用の実態が確認できないことが多く、マッチングの相手とも連絡がとれなくなるため、投資資金を取り戻すことは極めて困難となります。
手口にあてはまる場合は、それ以上支払わないようにしましょう。

ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考事例として掲載するものです。同じようなトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。