相談事例

(8)海外でのレンタカーの利用に関する相談

海外でのレンタカーの利用に関する相談が多く寄せられています。「あらかじめ日本で予約したにもかかわらず、現地に行ったら予約したのとは違う車だった」、「予約した金額より高額な請求を受け、問い合わせたところ、現地でオプション契約をしていたことがわかった。現地で書類にサインをしてしまったが、英語で内容を理解できなかった」、「車に傷をつけることなくきちんと返却したのに、後日、高額な修理を請求された」といった内容が目立ちます。

相談概要(1)

海外でレンタカーを利用し、返却しようとしたら、自分がつけていない傷を指摘され、修理代を請求された。
納得ができないことを事業者に伝えると、「出発する前に傷がないことを確認したとの書類があり、サインもある」と言われた。借りる時に、「鍵を受け取ったことを確認するためにサインしてほしい」と言われ書類にサインをしたが、よく見ると、出発前に傷を確認して報告する必要がある、と書いてあった。
出発時に、レンタカー会社のスタッフは傷の確認をせず、また、今回指摘された傷は非常に小さくて、たとえ確認をしていたとしても申告するほどのものとは思えない。しかし、出発時点の車の写真などはなく、傷が出発前からあったことを説明することはできない。修理代金は負担しなくてはいけないのか。

相談概要(2)

アメリカに旅行に行くときにレンタカーを利用したいと思い、英語が苦手なので、旅行前に日本語のサイトで予約し、料金も予約時にクレジットカードで前払いした。現地到着後、予約をした店舗に出向き、予約をしていることを伝えて車を借りた。この時に、クレジットカードを提示するように言われたので、不審に思い既に支払済みであることを伝えたが、「大丈夫だから」と言われ、結局クレジットカードを提示してしまった。
帰国後、クレジットカード会社から届いた利用明細書を確認すると、二重に請求されていた。予約をしたサイトに問い合わせたところ、「現地で、追加保険・前払い燃料・緊急ロードサービス・カーナビのレンタルなどの追加契約をしており、契約書にもサインがあるので、請求金額に間違いはない」と言われてしまった。
現地で新たな契約書にサインしていると言われても、契約書は英語で内容がわからなかった。英語が苦手なので、わざわざ事前に日本語で予約できるサイトを通じて予約したのにこのようなことになってしまい、納得できない。

アドバイス

日本国内で事前に日本語で予約手続きができることもあり、海外でのレンタカーの利用は、比較的容易に利用できるようになっていますが、現地では十分な注意と確認が必要です。

日本で事前に予約をする際には、契約内容をしっかり確認しましょう。現地へは、契約内容が英語で記載された書類を持っていくようにしましょう。 現地で書面へのサインを求められた場合は、その内容をしっかり確認したうえでサインをしましょう。事前に予約していた場合でも、予約した時と異なる内容が書面に含まれていないかをよく確認しましょう。もしそのような内容が含まれている場合には、その点を事業者に明確に伝え、書面の内容が修正されたことを確認してからサインをしましょう。特に、現地で不要なサービスを付加してくるケースが多くありますので、不要であることを明確に伝えましょう。 レンタカーを利用する前に、車の状態を事業者と一緒に確認し、細かい傷も含めて事業者に伝えましょう。また、利用前に車の写真を撮っておくと、事後にトラブルになった際にも役立ちます。 車は事業者が指定した場所に返却をし、返却時の車の状態も、事業者と一緒に確認しましょう。返却時の車の写真も撮っておくとよいでしょう。 最後に海外では日本と交通事情が異なるため、予期せぬ事故やトラブルも考えられます。万が一に備え、十分な補償内容の保険に加入するようにしましょう。また、事故時には、事業者の指示に従い、警察への連絡など必要な対応をとってください。

トラブルにあってしまったら

現地で契約書や確認のための書面にサインをしていると、返金や請求の取下げなどの交渉は難しくなりますが、ケースによっては事業者との交渉が可能な場合もありますので、まずは、CCJまたは最寄りの消費生活センターにご相談ください。 消費生活センターに相談をされる際は、契約書など関連の資料をお手元にご準備ください。

ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考事例として掲載するものです。同じようなトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。