相談事例

(14)ロマンス投資詐欺に関する相談

「出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会い、恋愛感情を持った相手から、実態のわからない投資等の海外サイトを紹介され投資したが、出金できなくなった」等の相談が寄せられています。
手口にはパターンがあります。出会った後、すぐに外部のチャットサービスでのやり取りに誘導され、その中で投資を勧められ、出資した後に出金しようとすると、手数料等さまざまな名目で追加の支払いを求められ、結局出金できなくなります。
運営会社や投資の運用の実態が確認できないことが多く、マッチングの相手とも連絡がとれなくなるため、投資資金を取り戻すことは極めて困難となります。
手口にあてはまる場合は、それ以上支払わないようにしましょう。投資資金を国内の預金口座等へ振り込んだ場合は、振り込め詐欺救済法に基づく届け出を行いましょう。また、詐欺被害にあったことを警察へ相談し、同種トラブルの拡大防止のために、サイトやアプリの運営会社に情報共有を行いましょう。

相談概要

マッチングアプリで自称外国人経営者という男性と出会った。男性より、アプリを退会するので、無料会話アプリでやり取りしようと誘われたので応じた。二人の将来のため、紹介する投資サイトで投資するよう何日か説得され続け、断り切れず投資した。少額を投資したところ利益が出て出金できた。元金が多ければもうけも多いと説得され、銀行や消費者金融から借り入れ投資した。出金しようとしたところ、保証金を支払う必要があると言われ、出金できず、男性とも連絡が途絶えた。

アドバイス

(1)出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会った相手の指示で投資するのはやめましょう

ロマンス投資詐欺の手口は以下の通りです。

出会い系サイトやマッチングアプリ等で、外国人等を名乗る相手とマッチングが成立 他のサービスでやり取りしようと誘われる 投資を勧められる 指示通り送金する 投資サイト上で利益が出ているように表示される さらに高額投資するよう勧められる さまざまな名目で入金を要求され、出金できない マッチングの相手、投資サイト運営事業者と連絡がとれなくなる

このような手口で紹介された投資サイトは、事業者情報や利用規約の表示がなく、実態がつかめないことが多くなっています。また、金融商品取引法(注1)、資金決済法(注2)に基づく登録を行っていないことが多くなっています。
さらに、投資資金の送金方法については、暗号資産での送金や、金融機関への振り込みを指示されるケースがあります。暗号資産の場合は資金の流れを追うのが難しく、金融機関への振り込みの場合は、振込先として金融機関の個人名義の口座を指定される等、資金の流れが不透明なケースが見られます。このような手口にピンときたら、それ以上支払わないようにしましょう。
(注1)免許・許可・登録等を受けている業者一覧(金融庁:外部リンク)
(注2)暗号資産交換業者登録一覧(金融庁:外部リンク)

(2)出会い系サイトやマッチングアプリ等は、ルールに従って利用しましょう

出会い系サイトやマッチングアプリ等の利用規約では物やサービスの勧誘行為を禁止していたり、外部サイト・外部サービスへ誘導する行為を禁止している場合があります。これらの運営事業者の中には、ユーザー間のやり取りをモニタリングする等してトラブルの未然防止に取り組んでいる事業者もありますが、外部のサービス上でのやり取りには、モニタリング機能が働きません。

事前に規約や注意事項をよく読み、禁止行為や疑わしい行為を持ち掛けてくる相手とはやり取りを行わないようにしましょう。また自身も禁止行為をしないようにするだけでなく、そうした行為を受けたことをサイトやアプリの運営会社に報告しましょう。

ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考事例として掲載するものです。同じようなトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期等が異なれば、対応策も違ってきます。