(1)取引を行う前に、事業者について確認しましょう。
金融商品取引法により、日本に居住する顧客を相手に金融商品の勧誘などの金融商品取引業を行う場合は、海外事業者であっても、原則として金融庁への登録が必要とされています。(一定の要件に該当する場合は、届出など異なる規制・監督形態となる場合があります。)
金融庁は登録が無い事業者を確認した場合、事業者に対し適宜警告書の発出を行い、かつ、改善が無い場合は名称等を公開しています。
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(金融庁:外部リンク)
掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で無登録営業を行っていることが確認できた者に限られています。そのため、掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください。
掲載されている無登録業者について、必ずしも、現在の無登録営業の状況を示すものではありません。また、その名称及び所在地等についても、現時点のものでない場合があります。
一般的に、行政から警告や指導を受けたにもかかわらず改善しない事業者は、決められた契約を履行しない、トラブルが発生した場合にも回答を行わないなど、適切な対応を行わない傾向があります。
金融庁は登録されている金融商品取引業者等を公開していますので、取引を検討されている事業者が登録事業者か否か、予め確認しましょう。
免許・許可・登録等を受けている業者一覧(金融庁:外部リンク)
このほか、インターネット上の評判等も参考になる場合もあります。すべてを鵜呑みにはできませんが、例えば、「www.xxxx.com(サイトURL)+scamまたはfraud(いずれも詐欺等を表します)」などで検索すると、海外サイトの場合、英語で評判が書かれていることがあります。これらの機械翻訳などでもおおよその評価の良し悪しは分かると思われます。
(2)キャンペーンに安易に惹かれないようにしましょう。
相談事例のように、悪意ある事業者が、金銭やポイントの交付などのキャンペーンを大々的に掲載し、サービス登録(入金)を促す事例が散見されます。安易に惹かれることなく、サービスの内容、事業者の所在地や電話番号などの一般的事項をサイト上で公開しているか、金融庁へ登録されているか否かなどを確認し、信用できる事業者かどうかを慎重に判断しましょう。
仮に住所の記載があったとしても、過去の事例では、カリブ海にある小さな島の郵便局が住所として登録されていたことなどがあります。地図サービスを使って住所を確認するなど、金融商品取引を行う事業者の住所として適切なものか、慎重に確認しましょう。
日本語での電話窓口が掲載されていたとしても、実際に連絡すると繋がらない事例もあります。契約前に連絡をしてみるなど、慎重に確認しましょう。
海外事業者との取引には様々なリスクがあることから、取引を検討する際には、こうしたリスクを十分理解するとともに、事前に事業者を確認することが有効な対策と考えられます。事業者に悪意はなくしばらく問題なく取引を行えていても、事業者の財務事情等により突然事業者と連絡がとれなくなることも考えられます。こうしたリスクを排除するためにも、上記で紹介した金融庁サイトを参考に、取引事業者の選択を行うことをお勧めします。
ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考事例として掲載するものです。同じようなトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。